気がつくと2024年が2ヶ月が終了していた。もちろん振り返るからそう思うだけで、毎日精一杯生きている、その繰り返しだ。
読書リストを毎月更新することを自らに課してしまったので、今更後には引けない。
ということで今月もやっていきます。
今までの読書リストはこちら。
2月に読んだ本
2月に読了した本は、7冊であった。いつもよりスローペースな気もするが、あまり多過ぎても書くのが大変なのでちょうど良い、ということにしておく。
本を選ぶ際の参考にしてもらえると幸いです。
友田とん『ナンセンスな問い』(H.A.B)
日常で起きることや目にしたものに対して問いを立てる。
問いを立てることは、大切なことなのだ。
そしてそれを解決しようと試みたり、気がつくと妄想の世界の住人になっていたりするのがとても面白い作品である。
『百年の孤独を代わりに読む』のPRのためにTシャツを作ったが、はて、実際、登場人物はTシャツを着ていたのか?
この本を読むたびに思うのは、僕たちの日常にはユーモアが足りない、のではなく、
それを見過ごしているだけなのではないかということだ。
本当は、あちこちに面白いものがたくさん転がっているのではないか。そんなことを考えさせられる一冊。
「朝起きる辛さより、時間を失う辛さ。今起きて昼寝をしよう!」(p125)
という標語を紙に書き出して貼り紙にした、というのを真似してみたが、なんだか恥ずかしくなって三日で剥がした。
西加奈子『白いしるし』(新潮文庫)
恋愛小説を読むのは久しぶりだ。
そして僕は久しぶりに読んでみて、驚愕した。
あれ、恋愛ってこんなに難しかったっけ?
10代、20代の恋愛なんかは、出会いも豊富だし、環境もコロコロ変わる。その時々で恋愛をしてきたと思う。
おいおい30代になるとこんなにもハードモードになってしまうのか。
確かに、30代って恋愛というよりかは、もはや家庭を築くモードなのか一般的には。
おいおいまってくれよ。待ってくれよー!
悲痛な叫びが虚空へと消えていくのであった。
山下澄人『おれに聞くの?』(平凡社)
山下は『しんせかい』(新潮社)で2017年に芥川賞を受賞した作家である。
その著者に寄せられた相談に答えていく形式なのだが、就職の悩みとか生きることとかなにかチグハグな感じがして読んでいて面白い。
まさになぜ「おれに聞くの?」である。
生きているだけで疲れてしまう僕は、(まあみんなそうか)何かを求めて本書を手に取ったはずなのだが、なんだったかを忘れてしまった。このなんだったか忘れてしまった感じがとてもよかった。
「わたしは変わっているのかな」と思えたときはチャンスです。(p75)
僕は最近あまりまともではないことに気付かされた。ラリっているとかそういうのではなく。
真っ直ぐに生きてきたつもりがどんどんあらぬ方向に進んでいってしまっているようだ。
まあ、人生ってそんなもんだよね。
大原扁理『年収90万円でハッピーライフ』(ちくま文庫)
この本はキケンだ。劇薬だ。
僕の頭の中はお花畑が一面に広がっており、気がつくと僕は、ふわふわと空を飛んでいき、東京のワンルームで隠居しているのである。
実際、「本当に」そうなっている未来が見えた。
さて、どう生きるか。
関係ないかもしれないが、ひたすら紙を食いまくる夢を見た。目が覚めると実際に胃もたれしている感覚が残っていた。
三好愛『ざらざらをさわる』(双葉文庫)
新刊コーナーに置いてあるのをみた瞬間これを読まないといけない、と思って買った。
そういえば何かをさわる時の感覚って、よく思い出せない、というより考えることが減ってしまったように思う。
こんな感じで、うまく表現できないなんともいえないモヤっとした感じをエッセイとイラストでまとめた作品だ。絵が可愛いので何度でも読みたくなる。
ちなみにいま何を触りたいかと聞かれたら、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』に登場する、「象の尻」かな、と答えると思う。あれもざらざらしていそう。
村上春樹『アフターダーク』(講談社文庫)
村上春樹を読むことは、ほぼルーティンとなっているので特別に語ることはあまりないのだが、
おそらくマリとコオロギの会話を久しぶりに聴きたくなったのだと思う。
深夜のラブホテルで互いの過去を語り合う。あのシーンがとても好き。
伊藤紺『肌に流れる透明な気持ち』(短歌研究社)
伊藤紺さんの第1歌集。
先月梅田でのサイン会で初めてお会いしたのだが、素敵な人だったなあ。
この歌集は、苦しいくらい美しい恋。
カフェで読んで、そのあと、家であかりを暗くしてもう一度読んだ。
100%の幸せというのはもうないのかもしれない。どれだけ楽しくても、なんだか切なくなる。
どれだけ美味しいものを食べても、満たされない気持ちがする。
でもそう感じてしまうのは、それだけ生きてきたってことだから。
しょうがないということにしましょう。
最後に
読書に興味がある人が、どれくらいいるのかはわからないが、
実際に書店に行けば本を買う人はたくさんいるし、イベントがあればたくさん人が集まるのを僕は知っている。
だから書いている。ただそれだけだ。
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