【連載】なまけ者の流儀 ⑤時間を引き延ばしてハッピーを感じる。

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僕たちに等しく与えられているもの。それは時間である。この24時間をどう使うかはその人の置かれている条件の下ではあるが、自己裁量に委ねられる。

まずはじめに断っておくが、なまけ者の僕が、仕事の効率を上げるコツや、とにかく早起きしろとか、そういう話をするわけではない。おそらく誰も期待していないだろう。

でも、もし、なまけながらでも、充実した一日だったと感じることができればそれはとても幸せなことなのではないだろうか。

そして、僕はそれを発見したのである。

目次

とある日の日記

今日は、仕事が忙しく、残業。とにかく疲れた。

家に帰って何もする気分になれなかった僕は、ダラダラとスマホを見て、気がついたら眠っていた。

ああ、こんな日が毎日続くのは、もう辛い。

もりた

そうそう、だいたい、こんなふうに一日が終わってしまうんだよなあ。

こういう日記を書いてしまった日は、なんだかものすごく一日というものがあっという間で、憂鬱な気持ちばかりがのこってしまうのだ。

時間を引き延ばす

このヒントは、村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新潮文庫)にあった。

この作品を初めて読んだ時の衝撃とワクワクをいまでも忘れられない。そしてこの作品は約40年前に描かれているのだ。そりゃ世界中にファンがいるよ。

脳科学を研究しているおじいちゃん、が出てくるのだが、そこで不死とは何かについて述べる。

不死とは、寿命を100年200年と実際的に伸ばすことでなく、実は時間を細分化することで生まれるのではないかという。

1を10で割ると、0.1になる。もう一度割ると、0.01になる、それを繰り返しても繰り返しても、0.000000000000000…1と続き、決してゼロになることはない。

すると理論上、1秒という時間の中に、無限の数字が収められていることになる。

と、まあ数字遊びに過ぎないが、これを現実世界に置き換えるとこう言えるのではないだろうか。

一日をざっくりと捉えるのではなく、もっと細部に注目する。そうすることで、自分の中の時間の流れを変えることができる。

ここで、もう一度先の日記を見てみる。

今日は、仕事が忙しく、残業。とにかく疲れた。

家に帰って何もする気分になれなかった僕は、ダラダラとスマホを見て、気がついたら眠っていた。

ああ、こんな日が毎日続くのは、もう辛い。

10時間も働いたのに、それをたった1行疲れた、と言ってしまって本当に良いのだろうか。

確かに仕事は辛い、嫌だ。

でもよくよく思い出してみると、この日は、出勤する時に桜がピンクと緑のコントラストがちょうど良い具合で、この葉桜具合がちょうどいいんだよなあ、と思っていたし、

久しぶりに後輩のA君と話しをして、相談されたから、僕なりに頑張って話を聞いたし、

お昼ご飯は、唐揚げが美味しかったし、

提案したものは、不十分であったが、思い切って聞いてみることで具体的なアドバイスをもらえて前に進むことができたし、

その分仕事は遅くまでかかってしまったが自分のやるべきことはやった。

帰り道は夜風が気持ちよかったし、こういう風景を小説に書いてみたいんだよなあと思ったり、

結構いろんなことがあったことに気付かされた。そしてそれは僕にとって有益なものだったのだ。

もちろんこれらを全て毎日書き出すのは苦になるだろう。できる人はやってみても良い。

頭の中で振り返るだけでも良い。

「疲れた」だけに集約してしまうのはもったいない。

効率や生産性が上がる時間術ではないかもしれないが、僕にとってこの気づきは大きいものであった。

しばしば、「解像度を上げる」という表現を見かける。

僕はこの表現にやや懐疑的だった、というよりは僕の理解不足でいまいち何を言いたいのかいまいちピンときていなかったが、いまつながったような気がしている。

古賀史健『さみしい夜にはペンを持て』(ポプラ社)では、「出来事をスローモーションで捉える」と表現していた。これも同義であると考える。この本は、とても良い。

つまみ食いで時間を引き延ばせ

仕事が終わって、ダラダラ過ごしてしまうのは、もちろん疲れもある。

疲れていれば、そこから何をしようかと考えて、行動を起こそうと考える余裕はない。

考える→行動する

この作業は仕事終わりの脳と体に負担がかかりすぎる。

ではどうすれば良いか、事前にやることを決めておけば良い。

超ズボラな行動でも達成感が得られる。

平日の僕の余暇の過ごし方は、

読書

珈琲

何かを書く

ゲーム

散歩

運動

である。

そしてこれが重要なのだが、なるべくたくさんつまみ食いをすることである。

読書は100ページ読もうが1ページ読もうが同じ読書である。

三十分の筋トレをするこことも重要だが、スクワット10回するだけでも運動である。

こんなかんじでちょこちょこいろんなことをやる。

すると、なんかたくさんやったな、と感じることはもちろんなのだが、

行動のハードルがググッと下がるのだ。

三十分の運動は疲れているからやりたくない。

でもお風呂を沸かしている間に、スクワット10回やって、本を3ページ読む、うまくいけばnoteに日記も書ける。

こんな感じで、いろんなことをつまみ食いすることで、行動のハードルも下がり、満足度も上がる。

ここでも時間を引き延ばす

例えば、珈琲を淹れる。

珈琲を飲んだ、というのだとなんだが味気ないが、そこに至るまでの過程がたくさんあったはずだ。

豆を挽く。香りを楽しむ。ドリップする。部屋中に良い香りが充満する。

珈琲を味わう。そのコーヒーは口当たりはなめらかか、酸味はどうか、コクはどうか、スッキリ系か、どっしりとした味わいか、などいろんなことを楽しんでいるはずだ。

僕は、ゲームをするのも好きなのだが、そこにもちゃんと過程がある。

電気を間接照明だけにする。

お香をたいてリラックスモードにする。

ゲームの世界に没頭する。(でも三十分だけにする)

なまけ者の一日 時間引き延ばしver.

朝起きて、嫌だったけど仕事に行った。

この日は、出勤する時に桜がピンクと緑のコントラストがちょうど良い具合で、この葉桜具合がちょうどいいんだよなあ、と感動した。

久しぶりに後輩のA君と話しをして、相談されたから、僕なりに頑張って話を聞いた。頼られるのはうれしい。

お昼ご飯は、唐揚げが美味しかった。

提案したものは、不十分であったが、思い切って聞いてみることで具体的なアドバイスをもらえて前に進むことができた。

その分仕事は遅くまでかかってしまったが自分のやるべきことはやった。

帰り道は夜風が気持ちよかったし、こういう風景を小説に書いてみたいんだよなあと思った。

家に帰ると、まずはコンビニで買ったご飯を食べた。

レンジでチンしている間に本を2ページ読んだ。

ご飯を食べ終わったら、風呂を沸かした。

待っている間に、スクワットを10回して、noteに日記を書いた。

お風呂にゆっくりと浸かってこの後何をしようかなと考えた。

夜なので、カフェインレスのコーヒーを淹れ、部屋中に広がる香りを楽しんだ。

温かい飲み物を口にするとなんだかホッとする。駄洒落じゃないよ。

照明を落として、お香を焚いて、すぐに眠りたかったが、どうしてもゲームがしたかったので少しだけやった。

こうしてみるとなんでもない一日のようでいろんな経験をしているのだと思った。明日も頑張ろう。

筆マメな人は、これを書けば良いし、そうでない人は、頭の中で振り返るだけでも良い。

実は僕たちは時間を引き延ばすことで、幸せを感じることができるのだ。

もりた

あれ、結構充実した1日だったかも!

さいごに

なまけ者の探究はまだまだ続くのだ。読者は少ないかもしれないが、ゼロでない限りなまけ者探究はやめない。

書籍化のオファーお待ちしております。

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この記事を書いた人

読書×ミニマルライフで自分らしい暮らしを模索しています。
おいしい珈琲を淹れて、大好きな読書をしてのんびり過ごしています。
ミニマリストとしての生活や読書で学んだことなどを発信していくブログです。

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