愛する、という単語をみて何を思い浮かべるか。
友人、家族、パートナー、ペット、推し、など人によって様々だと思うのだけれど、
おそらくほとんどの人は何かしら「他者」を思い浮かべているはずだ。
さて、本書は、『自由からの逃走』でお馴染みの哲学者(と言っていいのかな)エーリッヒ・フロムが書いた本である。
なので、この本は、まあ恋愛マニュアルブックではないだろうな、という想像はついていた。
それでも、本書を開く前は、もしかしたら、
ここに書かれていることを一言でまとめるのならば、「自分を愛せ」
そして、そのための修練を怠るな、というものだ。
ああ、わかるよフロム先生。自分に自信が持てない時ほど他者に依存してしまう気がする…そうやっていつもフラれてきた。
それが服従(マゾヒズム)、支配(サディズム)、などいろんな形であらわれることもあるかもしれないが、いずれにせよそれは、
ではどうすれば良いか。
本書にはありとあらゆるフロム哲学が披露されているが(そしてフロイトをフルボッコにしている)、
僕が特に大事だなとおもった2点をピックアップします。
与える人になりなさい。
まずは、与えよ、ということ。
自分から何かを差し出せる人になれ、ということだ。
僕に差し出せるものは、あまりないかもしれないが、
本で学んだ知識とか、生きづらさのことについてとか、仕事はあまりできないが、それでも後輩には優しく教える、そういうことの積み重ねが自分を愛することにつながるという。
そして、友人やパートナーとの関係もこのように与え合う関係が築ければ最高だよな、ということになる。
自分に敏感であれ。
もう一つ大事だなと思ったのは、「自分の調子に敏感であれ」ということだ。
そして、不調や異変を感じたら、可及的速やかにいかにしてそれを対処するかを考えよ、ということだ。
これは、そのとおりだなと思った。
なんか今日ちょっとおかしいな、まあええか、は本当に良くない。
その都度その都度、自分に問いかけ、なぜいま苦しいと感じたか、
なぜ今しんどいのか問い続けることは、詰まるところ自分を大切にするということである。
もちろん難題もあるかもしれない。
さいごに
ということで、エーリッヒ・フロム『愛するということ』を僕なりに噛み砕きまくって紹介してきたわけだが、
もっと詳しく知りたい
なんや、もりたはんの言うことやさかい信用できまへんわ
と言う方は、ぜひ本書をご一読いただければなと思います。(下にリンク貼っときますね)
そういえば、本の解説をするのは初めてかもしれませんね。
こうやって「与える」行為が僕を救ってくれることを信じて前に進んでいきたいと思います。
(注:与える、は本書に沿った表現として使っているだけで、皆様のためにほんのちょっとでも力になれたら嬉しいな、という気持ちです)
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