そんな気がして、毎月読書リストを更新しております。
本を読みたいけど、何を読もうかなあ、という人の参考になればうれしいです。
1月に読了した本は、6冊でした。
そのほか読みかけの本はいくつかあるのですが、読み切った本の感想を書きたい!という勝手なルールのもので記事を作成しています。
今年は、100冊読むぞ!と意気込んでいたのですが、ややスローなスタートですね。
今までの読書リストはこちら。
1月に読んだ本。
伊藤紺『気がする朝』(ナナロク社)
僕の推しの歌人、伊藤紺さんの3冊目の歌集です。
難解な言葉を使わず口語で丁寧に紡がれる歌は、言葉の一つ一つが澄み切っていて、あたたかくて、
そして、どこかなつかしい10代、20代の頃を思い出す。
郷愁、ノスタルジー、そんな言葉が当てはまるのかもしれません。
初めての歌集を買う、という人にもぜひ薦めたい一冊です。
高橋源一郎『君が代は千代に八千代に』(講談社文芸文庫)
表題作を含む13の作品からなる短編集。
この小説は、変な小説だ。だが面白い。
どんな小説ですかと言われると、説明するのが難しいのだが、主人公のみている世界と、実際の世界のズレのようなものがニョキニョキとあらわれはじめてきて、そのずれに耐えられなくなっていくような小説だ。
中島らもの中毒性と同様に、高橋源一郎にしかだせない変な感じ、というのがたまらなく良いのだ。
高橋は自作の朗読会をすることがあるそうで(あとがきより)
そこでこの短編集に収められている「Mama told me」を朗読するそうだ。
それは流石にクレイジーすぎるだろ、と思った。
革命だ!と叫ぶのだろうか…。
ガブリエル・ゼヴィン『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』(早川書房)
いやあ、これは面白かった。
ゲーム制作を通して描かれる、男女の友情物語、といってしまうとなんだかありきたりになってしまうな、戦友、パートナー、どの言葉が相応しいかはぜひ本書を読んでみてください。
幼少期に病院で出会った二人がゲームを通して心を通わせ、そして大学生になりゲームを共に制作するところから物語は一気に動き出す。
はじめは容量の限られたインディーズゲームから始まり、時代が進むにつれ、制作するゲームが進化していくのも読んでいて楽しい。
そして、タイトルに込められた想いとは…
本作では、日本のゲームの名前もたくさん出てきます。
ドンキーコング、マリオ、ゼルダ、牧場物語、どうぶつの森、ペルソナ(ペルソナの名前が出た時はめちゃくちゃテンションがあがりました。というのも、目下どハマり中だからである。)
僕がゲームをしていて、一番感動した瞬間というのは、ゼルダの伝説時のオカリナが発売された時だったと思う。
当時はまだ小学校に上がったばっかりくらい?で、僕は大人リンクになるところくらいまでしか進めなくて、友達のお兄ちゃんがプレイしているのをみて楽しんでいた。
画面の中で3Dのリンクが動いている衝撃は今でも忘れられない。
音楽もすごく良くて、リコーダーで真似して吹いてたなあ、サリアの歌とかエポナの歌とか…
(ちなみに時のオカリナは、大学生になってからクリアしました。)
ああ、話が逸れてしまいました。
ちょっと長い小説ですが、ゲームが好きな人は、はまること間違いなしです。
ゼヴィン『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』
エーリッヒ・フロム『愛するということ』(紀伊国屋書店)
僕たちは、愛するということを知らない。
ちょっと語弊があるな、
ちなみに、恋愛マニュアル本ではないです。
モテコーデ、とかデートスポットとかそんな話は出てきません。
ただ、愛するということをひたすらに考え、訓練していく術が書かれています。
なんかむずそうだし、ざっくりでいいから内容が知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』(中央公論新社)
待ちに待った、森見登美彦の新作。
新しい本なので、物語の詳細は控えておこう。
熱狂的なファンが多いことで有名な?登美彦氏ですが、今回の作品も見事でしたね。
序盤は、お馴染み京大生シリーズの樋口先輩や、
『聖なる怠け者の冒険』のような、ゆるゆるなかんじでスタートし、面白い!森見登美彦だ!と興奮し、
中盤からは、夜行や熱帯を思わせる美しさと脆さを孕んだ、幻想世界へと読者を誘う。
僕は、シャーロックホームズに関しては無知なのですが、楽しめました。
元ネタを知っている方がおそらくもっと楽しめるのではないかと思い、読んでみようかな、と思っている。
シャーロックホームズは、米澤穂信の古典部シリーズで名前がでてきたなあ、
村上春樹『羊をめぐる冒険』で「僕」が読んでたなあくらいの知識しかない。
読書の世界というのは広いですね。まだまだ読んでいない本がたくさんあるのです。
アン・ウーキョン『思考の穴』(ダイヤモンド社)
普段あまり読まないビジネス書、を読んでみました。
頭の中で何度も考えている、イメージしているうちに自分にもできると思い込んでしまう?
簡単な文章を読んだら、そんなの誰にでもかけると思ってしまう?
日常に潜むバイアス(考えの偏り)を炙り出し、具体例を多用し、解決に導く本書は読んでいてとても心地よい。
しかし、人はそんなに簡単に自分の見方を変えることができるのか。
自分の視点でしかみられない人は、ずーっと自分の視点でしか考えられないのではないだろうか。
わかっていても、信じたいものを信じようとするのではないだろうか。
そうやって本書を読みながら葛藤してほしい。
さいごに
1月は、たくさんは読めなかったけれども、なかなか刺激的な読書体験ができたのではないかと思っている。
そして、それをサポートしているのは、今年から始めた読書ノートだ。
気になった箇所を抜書きしているだけなのだが、思考が整理されたり、思い出すきっかけになっていて、とても助かっている。
読書リストと共に継続していきたい試みである。
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