先月からの取り組みとして、読んだ本の記録を残しておくことにした。
これは、ある意味では、自分で見返すためのものでもある。
しかしながら、面白そう、読んでみようかな、と誰か一人でも心に引っかかり、読書の輪が広がれば良いなとも思っている。
11月は文学フリマ東京に行ったことで、読書欲が刺激されまくった。
それらの本も含め、読んだ本の紹介と、ちょっとした感想を記す。
10月の読書リストも合わせて読んでいただけると幸いです。
今月は、14冊も読んでいた。意外と読んでいたことに驚いた。
というのも、11月はきまって体調が悪いからだ。
季節の変わり目だからでしょうか、皆様もご自愛くださいね。
それでは参りましょう!
ドストエフスキー『白痴』4(光文社古典新訳文庫)
全4巻の最終巻を読み終えました。
この物語の軸となるのは、純粋無垢な青年ムイシキン公爵をとりまく恋愛物語なのだが、
なんやかやドタバタ劇が繰り広げられて、むちゃくちゃになったり、
突然、病人が死んだらあの人に捧げてほしいと、40分の大演説をしたりと、
これぞドストエフスキーの小説だな。と大変面白く読むことができた。
毎回思うのだが、ドストエフスキーは物語を長引かせる天才だと思う。
本書も、メインの部分だけなら一冊で済むのではないかと思ってしまう。
それでも読ませる、というのがこの作家のすごいところなのかもしれませんね。
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)
11月のベスト本は、この作品だと思う。
小川ワールド全開で、もうとにかく面白い一冊。
短編集ですので、小川作品がはじめての人にもおすすめだ。
『地図と拳』や『ゲームの王国』などの長編もとにかく面白いのだが、短編が上手い作家だなあとつくづく思う。
『嘘と正典』という短編集がハヤカワ文庫で出版されています。
そちらもすごくおすすめで、僕が小川哲作品にハマったきっかけとなる作品です。
さて、こんかいの『君が〜』のテーマは、承認欲求。
現代を生きる我々が、無意識に欲してしまう恐ろしい欲。
僕は、関係ない、と言い切れるだろうか。
宇田智子『本屋になりたい』(ちくま文庫)
沖縄の商店街で古書店を営む店主が書いたお仕事エッセイ。
本に関わるお仕事、に憧れる。
沖縄には独自の出版社がある、と言うのを初めて知った。
沖縄旅行に行ったら、本屋に行く。
岡野大嗣『うれしい近況』(太田出版)
歌集。
素敵な歌が、音楽のように連なる。
本の至る所にある仕掛けも楽しかった。
装丁も可愛くて素敵。
文学フリマで買った本(読み終えたものを紹介)
11月11日に行われた文学フリマ東京で購入した本のうち、今月読み終えたものを紹介します。
いやあ、すごかったなあ、熱狂。楽しかった。
簪なぎさ『神』
表題作を主とした短編集。
心地よいテンポで語られる言葉、
時間、名前、などがテーマとして語られ、繊細な心情を丁寧に描く。
もし、何かの拍子に、憧れというものが崩れ去ってしまったとしたら、そこには一体何が残るのだろう、と考えました。
Akane『拝啓、読書家様』
メールマガジンで配信されている文章を、まとめた一冊。
読書愛に溢れた本書を読むと、自然と笑顔になる。
まだまだ本の世界は広いな、と感じた。
読書泊、はぜひやってみたい。
pha『少しだけ遠くの店へ』
第5回笹井宏之賞に応募した連作短歌50首とそれにまつわるエッセイ。
phaさんの人柄が滲み出ている作品だなあと感じた。
とてもよかったです。
そぞろ書房『そぞろ日記』
東京高円寺にある書店そぞろ書房を立ち上げるまでがえがかれたエッセー。
イベントや展示を定期的に行っていると言うことなので、ぜひ立ち寄ってみたいなと思った。
点滅社の『鬱の本』というのがとても気になる。
山本多津也『読書会入門』(幻冬舎新書)
猫町倶楽部というかなり大規模な読書サークルを運営されている方の著作。
読書会をやってみたくなったので、手に取った一冊。
今月第1回の読書会を開催することになったが、今からもう楽しみで仕方がない。
何をテーマに話そうか、考えておかないと。
かぜのたみ『低コスト生活』(朝日新聞出版)
寒くなると、ついついおさいふのひもがゆるくなってしまうあなた。是非手にとってほしい。
本作については、記事を書いていますので、ぜひそちらも合わせて読んでいただけるとうれしいです。
保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』(中公文庫)
『プレーンソング』を先月読んで、著者が一体どんなふうに小説を書いているのか、気になって手にとった一冊。
「小説を書く」とは、まずは他人が発した言葉を自分の言葉に置き換えることから始まるのだ。
保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』
そのほかにも、金言がたくさんあった。
僕は、書きあぐねているわけではなく、書いていないだけなのだが、少し書いてみようかなと言う気持ちが湧いてきた、ような気がする。
村上春樹『国境の南、太陽の西』(講談社文庫)
何度読んでも、美しい。そして、少しだけ悲しくなる。
ブローティガン『西瓜糖の日々』(河出文庫)
不思議な世界。幻想的な詩のような世界。
名前を持たない主人公。
アイデス(iDeath)と呼ばれる共同体に暮らす人たち。
忘れられた世界。
何度読んでも、飽きない、美しい小説。
佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ちくま文庫)
ミニマリスト、を知るきっかけとなった本書。
初めて読んだときは部屋が散らかっていた。
改めて読んでみて感じたのは、ミニマリスト、という生き方は、所詮スタートに過ぎない、ということだ。
なんのためにものを減らすのか、もう一度自分の心を整理することができたような気がする。
さいごに
今月も素敵な本に出会うことができた。
さて12月はどんな本を読もうかな。
今から楽しみです。
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